カレーの思い出 239:カレー屋台は閑古鳥

僕はスパイスカレー作りが趣味で、よく友人達にカレーをふるまっていました。そんなある日、友人の一人から「目黒のさんま祭りで屋台を出すんだけど、そこでカレーを売ってみたら?」というオファーを受けました。趣味でやっている程度のカレーなのに、お金を払って食べてくれるお客さんがいるのだろうか。。。と悩みましたが、挑戦してみたい気持ちもあり、屋台を出すことに決めました。
それからは、どんなカレーを出そうか、容器はどうしよう、道具はどうしよう、など毎日悩み続けながらも、自分なりに気合を入れて 準備を進め、いよいよ祭りの当日がやってきました。初めてのカレー販売に緊張しつつ、前日に仕込んだカレーと道具一式をカートでガラガラと運んで、祭りの会場に着いたとき、僕は驚愕しました。なんと、自分が屋台を出す場所の隣では、浅黒い肌に白いコック服を着た男性数人、見るからに東南アジア出身の料理人達が、スパイスの香りを漂わせながら仕込みをしていたのです。そう、自分が素人カレーの屋台を出す隣の屋台は、目黒でも有名なスリランカ料理の屋台だったのです! 見るからに美味しそうなスリランカ屋台料理のラインナップには、もちろんカレーもありました。最強のライバル登場に、一気に 気分が落ち込みました。
祭りが始まると、案の定隣のスリランカ屋台は長蛇の列、自分のカレー屋台は閑古鳥が鳴いていました。困った挙句、「こっちは並ばずにすぐ食べられますよー」という情けない売り文句を叫び続け、祭りが終わるころにはなんとか用意した50食を完売することが出来ました。(とはいえ、半分近くは友人、知人が買ってくれたものです)隣はきっとその10倍以上売っていたことでしょう。
ショックな一日でしたが、自分の作ったカレーをお客さんが買ってくれるのはとても新鮮で嬉しい経験でした。その嬉しさが癖になり、今でも地元のお祭りなどで時々カレー屋台を出しています。

→素晴らしい経験ですね! こういうことが本当の実力をつけてくれるんじゃないかなぁ、と思います。つらいですけどねぇ、となりが大繁盛、自分のところが閑古鳥。さんま祭りでの出店だから、さんまカレーにしたらどうだったんでしょうね。一か八かですね。それでこけたら立ち直れないか。(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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