カレーの旅024:水牛が長時間煮込まれる
インド・オールドデリーにあるビーフニハリ専門店を訪れたのは、早朝6時。この時間から仕込みが始まるという情報を得ていたからだ。
眠い目をこすりながら店に向かうとコックと従業員が仕込みの準備をしている。路上に面した店の扉は開かれ、店頭に立てば目の前にある大きな鍋がすべて覗ける状態だ。
そこから6時間、僕は仲間と仕込みの一部始終を見届けた。鍋の口がふたで密閉されたのは12時。店のシャッターが閉じた。
夕方5時、シャッターが開かれるとあっという間に人だかりができた。開店を待つお客たちがいつの間にか集まっている。
昼から5~6時間の間、鍋中の水牛はとろ火でずっと煮込まれていたのだ。調理時間は10時間以上、販売時間は1時間ほど。あっという間にニハリは売り切れた。
(ジンケ・ブレッソン)