カレーの思い出 244:吹奏楽部の鉄の掟

浜松出身の僕は高校のときに吹奏楽部に入っていました。年に一回の演奏会やコンクールが終わると、生意気にも「打ち上げ」と称して市内に繰り出すのが恒例でした。打ち上げといってもお酒を飲むわけではありません。みんなで「ボンベイ」というインドカレー専門店に行くのです。
打ち上げでは、鉄の掟(おきて)がありました。ボンベイの各メニューは辛さが選べ、その辛さはメニュー上「星☆」印であらわされていたのですが、ステージでミスをした数と、同じ数の星のカレーを食べなければいけないのです。辛いを通り越して「苦い」「痛い」と言いながら食べたのを思い出します。ミスの数といっても結局は自己申告制なので少し大目に申告して辛いカレーを食べ、受けを狙っていたメンバーもいたように思います。でも、単なる悪ふざけではなく、みな、インドカレーのおいしさに目覚め、今は閉店したボンベイの味を懐かしく思い、当時のオーナーがのちに開いた店「ボンベイ庵」を訪れたメンバーもいるようです。

→ミスした数と同じ星の数のカレー。なんだか勲章みたいでいいじゃないっすか! しかも、ミスを多めに申告して辛いカレーを面白がって食べる。鉄の掟もふにゃふにゃですな。(水野仁輔)

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