カレーの思い出 296:雑居ビルのスリランカ

高校2年生の時に梅田で食べたスリランカカレーの味が忘れられません。僕の通っていた静岡の高校では、高校2年生の夏休みになると「休み中にオープンキャンパスに行くこと」という決まりがありました。周りの友達が東京や地元の静岡など、それほど時間のかからない場所を選ぶ中、僕は「旅行できるじゃん!」とウキウキしながら、なんとなく面白そうという理由で大阪を選びました。昼頃に鈍行で出発し、梅田にたどり着いた時はすっかり夜に。移動の疲れでヘトヘトになっていた僕は、晩ごはんを求めてフラフラと夜の梅田の街をさまよい歩いていました。とはいえ当時は食べログもなく、「どの店に入ればいいんだ…」と立ち往生。迷いに迷った挙句、選んだのは雑居ビルの1階にあったスリランカカレー店。はじめて見るスリランカ人にどぎまぎしながらオーダーを済ませ、程なく運ばれてきたカレーに衝撃を受けました。
「なんだこのカレー!めちゃめちゃ美味しい!」
今まで食べたどのカレーとも違うスパイシーで刺激的な味。学校の給食のカレーとお母さんのカレーしか知らなかった僕にとって、これがはじめての「スパイスカレー」との出会いでした。今思うとこのスリランカカレーが、僕にとってのカレーの原点でした。このカレーがなかったら、のちにスパイスカレー作りに興味を持つこともなかったと思います。10年ほど前のことなので、残念ながら店の名前も場所も忘れてしまいました。先日大阪に行く機会があったので、ちょっと探してみましたがやはり見つけることはできず。それでもあの夜、感動しながら胃袋にかっこんだ「幻のスリランカカレー」は、僕の思い出の中で今も生き続けています。

→思い出のカレーが消えてしまって再会できないというのはつらいことですよね。思いはつもるばかり。でも、食べられないままのほうがいい思い出をずっと抱き続けられるんじゃないかとも思います。幻のスリランカカレーなんて素敵じゃないですか~。そんなカレーがあるなんて羨ましいです。(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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