カレーの思い出 249:変わらないウェイトレスさん

忘れられないカレーがあります。江古田駅近くにあった「パーラー・トキ」のカレーです。学生時代、今でも江古田にあるライブハウス「マーキー」のスタッフになり毎週2〜3回通いました。勤務の前に腹ごしらえをしたのが喫茶店の「パーラー・トキ」(創業40年)。とにかくカレーやスパゲティの量が多く学生向きで芸術関係の大学の学生が描いた絵が壁にかけられ、とにかくたくさんの漫画もおいてありました。ここは竹久夢二の絵のようなウエイトレスさんが一人だけおり、心からの接客をしてくださっていました。昼ごはんを食べていると近くに目の不自由なかたが座られたことがありました。カレーライスを注文されていたのですが、ごはんとルウの配分がわからず、ごはんだけ残ってしまったのです。するとこのウエイトレスさん、「よかったらルウを足しますね」と、そっとかけてあげていました。嬉しそうなそのお客さんの顔が忘れられません。それから18年後、仕事で「パーラー・トキ」をたずねる機会がありました。あのころの自分たちのような学生もたくさんいました。「あのウエィトレスさんはさすがにもういないだろう」と思ったらなんといらっしゃいました。それも変わらない様子で。今ではもう店をたたまれましたが、あの店内だけ、時の流れが遅かったような気がします。

→そのウェイトレスさん、サイボーグだったんじゃないですか!?(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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