カレーの思い出 060:トラウマ

バンコクの屋台でグリーンカレーを食べていたときのこと。もともと辛いものが苦手なくせに、滞在1週間ほど経った頃で調子にのって辛そうなのを注文してしまった。食べはじめてひと口、ふた口。あきらかに自分の限界を超えた辛さ。脳天からシビレがつき抜ける。汗が頭頂部から顔面から、ワキ、背中からふき出しまくる。まわりで食べている現地の人たちは、なんだか様子がおかしくなりはじめた私の方を気にしはじめた。苦しい。しかし残すわけにはいかない。目を白黒させながら何とかスプーンを往復させる。まわりの人たちの視線がつきささる。私は頭を上げず、皿だけを見ている。気がとおくなりかけた頃、食べ終わった。まわりの人たちが安心したのを感じて、私もほっとした。そのあとどこへ行ったのかとか全くおぼえていない。ただただ辛かった記憶だけが残っている。トラウマ。デリーのカシミールカレー、食べたいのだけどビビっていてまだ食べていないのです。

→ タイのカレーは辛いですよね。日本のタイカレーは日本人向けに辛みを抑えているケースも多いので、現地で食べると辛くて驚くことがあります。辛味は刺激ですから、慣れていない人や苦手な人にとっては苦痛だし、好きな人には快楽に近いものがあると思います。バンコクの屋台がどの程度の辛さだったのかわかりませんが、デリーのカシミールカレーはやめておいたほうがいいんじゃないかなぁ。(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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