
カレーの実験 018:コーヒーを隠し味にカレーを作ってみる
「隠し味にコーヒーを使うとカレーがうまくなる」という説は昔から唱えられているけど、本当なのか。
隠し味になるならば、どのように使うのが最適なのかを検証すべく、コーヒーのスペシャリスト・中川“VIVA”亮太さんをゲストに招いて実験しました。
今回の検証条件は下記の通り。
・作るのはキーマカレー(牛豚の合い挽き)
・カレー作りのプロセスで使う水をコーヒーに置き換える
・浅煎りコーヒーを使ったもの、深煎りコーヒーを使ったもの、通常のもの、の3パターンで食べ比べ
・使う豆は、浅煎り=エチオピア、深煎り=マンデリン、を使用
・コーヒーは飲んで最もおいしい状態になるよう抽出
・抽出方法はエアロプレス
材料と作り方はこちら。
【材料】
・油 45g
・玉ねぎ(スライス) 290g
・にんにく&しょうが(すりおろし) 38g
・トマトピューレ 30g
・パウダースパイス
├ターメリック 2.6g
├クミン 5g
├コリアンダー 5.8g
├ガラムマサラ 2.3g
├クローブ 0.5g
├カルダモン 0.9g
└レッドチリ 0.8g
・塩 8g
・合い挽き肉500g
・水orコーヒー 250cc
【作り方】
1.鍋に油を入れ、強めの中火で玉ねぎをきつね色になるまで炒める
2.にんにく、しょうがを加え、水分が飛ぶまで炒める
3.トマトピューレを入れ、水分が飛ぶまで炒める
4.パウダースパイスを加え、炒め合わせる
5.合い挽き肉を加え、炒め合わせ、中火で10分間蒸し焼きにする
6.水orコーヒーを加えて混ぜ合わせ、沸騰したら中火で蓋をして10分間煮る
違いは最後に加える水分がコーヒーかどうか、という点だけなので見た目こそ大差ありませんでしたが、香りと風味の差は圧倒的かつ絶妙!
華やかさのある浅煎り、どっしりとした苦みとコクの深煎り、それぞれの特徴をカレーに上乗せしてくれ、かといって主張が強すぎるわけではない。特に浅煎りコーヒー入りは、中川さん含め参加者の支持を多く集め、優秀な“隠し味”であることを証明してくれました。
ちなみに、プラスαとして、浅煎り、中深煎り、深煎りそれぞれの挽き豆(細かめのグラインド)をふりかけとしても活用。これも本題の実験同様、隠し味としていい働きをしてくれました。
カレーの種類を変えると仕上がりが変わるだろうし、スパイスにブレンドもしてみたい。カスカラ(コーヒーの果皮と果肉を乾燥させたもの)を使うのもいいかもしれない。
カレー×コーヒーは想像以上におもしろいらしい。
これからもさまざまな検証を重ねて、その深さを確かめていきたいと思います。