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カレーの授業:第25期3限目

カレーの学校
1日目もあっという間に3限目の授業へ...テーマはなんと「モダンジャズ&インディアン」!
水野校長曰く「モダンジャズとか、何しゃべるんだっけ……?」と本当に困った顔をされていて、一抹の不安がよぎりますが、そんな心配をよそに、いよいよ本日最後の授業の開幕です!

「ジャズと言えばリーダー」という水野さんの一言から始まったこの授業。

実はリーダーは水野さんと同じ明治大学のご出身で、当時はビッグバンドに所属しジャズを演奏していました。
しかもそれだけでは無く、バンドの要であるコンマスとバンマスを歴任し、全国の学生大会で3回連続優勝を経験したという偉業の持ち主。

一方、大学には双璧をなすもう一つのビッグバンドがあったそうなのですが、そのコンマスをやっていたのが藤原大輔さんという、後にプロのジャズサックスプレーヤーとなったお方。
過去のカレーの学校の授業では「JAZZとはなにか?」というテーマでゲストに来て下さいました。
https://curryschool.jp/n/nc05b42999cae?magazine_key=mff5b68860d18

今回はそんなジャズの知識が豊富なリーダーのサポートと共に、水野さんの話がどうカレーと結びついていくのか、ドキドキしながらお話を聞いていくことにしましょう。

■スウィングジャズ

ジャズの流れは、いくつかの歴史的な背景により区分けされていますが、まずはリーダー達が演奏していた[スウィングジャズ]とはどんなものだったのか、おさらいしていきましょう。

水野さんがラップトップでこれらの曲を流し始めた瞬間、教室の中の雰囲気がサッと変わったような気がしました。

時代は1930年代。古き良きこの時代特有のワクワクするような高揚感!煌めく名曲の数々は皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ジャズの調べとともに、水野校長のおしゃべりが授業開始前の不安をよそにどんどんエンジンがかかっていくようです。

■モダンジャズ

さて、時代は第二次世界大戦を経て、いよいよ今回のテーマでもある[モダンジャズ]の世界へ入っていきます。
時は1940年代、戦後に一度人気も下がってしまっていたジャズ界に新星が現れます。

それがチャーリー・パーカー!コードのみがかろうじて存在する構成の上で、尋常ではないスピードでアドリブを吹きまくる彼の登場は、異質ながらもモダンジャズという新しい扉を開いて行くことになります。

その後、モダンジャズの形態は
・ビバップ(bebop)
・ハード・バップ (hard bop)
・クール・ジャズ (cool jazz) 
・モード・ジャズ(modal Jazz)
といった流れをたどり、さらに次の時代のフリージャズやファンキーへと進化を遂げていきました。

■アドリブとは何か?

さて、ここまでモダンジャズの流れを見てきましたが、水野さんが注目したことは「何故ジャズメン達は難解複雑で即興的に見える楽曲の中で、アドリブができるのか?」という点でした。
これがどうやら次のお話に繋がって行くようですー。

■モダンインディアンとは

ふと机の上に目をやると、美しくておしゃれなレシピ本の数々はモダンインディアンに関するもののようです。
話がやっとカレーに戻ってきましたね!
モダンインディアンとはイギリスにて30年ほど前に発祥した新しいインド料理の形態で、本国インドには存在しない独特のものだということでした。

近年独自の進化を遂げており、所謂フランス料理のように洗練されたおしゃれなスタイルで、感度の高い人達を中心に非常に人気があるということです。
水野さんが10年前にロンドンで取材した際にも、モダンインディアンのカテゴリーに入る店が100軒近く確認できたというから驚きですね。

■モダンインディアンといえば、このシェフ達!

さて、ここで次々にレシピ本が生徒さん達に配られていきます。とにかく装丁がモダンでおしゃれ!
そんな美意識の高いモダンインディア界の中で、重要なシェフを何名か紹介していきましょう。
・Atul Kochhar (Venares)
・Vinet Bhatia (Rasoi)
・Vivik Singh (The cinnamon club)

この短いページではその詳細をお伝えすることはできませんが、とにかくそれぞれのレシピ本から漂ってくるエレガントさよー。
水野さん曰く、料理を洗練させていくという方向ではイギリスが世界の中でもトップなのだそう。

また、話を聞いて面白いと思ったのは、シェフ達の芸術的とも言えるプレゼンテーション能力の高さ。
そんな内容が伺える一つのエピソードとして、インド料理で初めてミシュランの星を獲得したAtulさんの話があります。

有名になったAtulさんの店に、かつての師匠が来られた時に目隠しをしてもらい、香りと味だけを頼りに食べてもらったそうなのですが、その感想は「これはとてもオーセンティックなマライチキンだね!」というもの。
しかし目隠しを取った後にはびっくりすることに。そこには見たこともない先鋭的でモダンな料理が並べられていました。

彼が言うには、自分にとってモダンインディアンとは、見た目がフレンチ的な洗練さを持つが為に誤解をされがちだが、実は伝統的なインド料理である田舎の母親が作るような料理のレシピを基にしているということ。
つまり、ベースはオーセンティックな構成を崩さずに、アレンジのみがモダンであるということだったのです。

■ジャズとインディアン料理の共通点

そういえばここで出てきた、ベースとアレンジって…。どこかで聞いたような気がしませんか?
そう、先のお話にあったモダンジャズの話にも、曲のベースの構成があってこそ、アレンジができるという話がありました。

実はモダンインディアンの世界も同じで、ベースとなる伝統的なインド料理のコード進行を自分なりに理解して整理することで初めて、それぞれのシェフのスタイルが確立できたということだったのです。

水野さん自身もそのような流れを経て今の自分があるそうで、カレー活動を始めた後、壁にぶつかった時に、インド料理を真面目に勉強し直してみようというタイミングがあったのだそう。
その経験を経て「とたんに自分のレベルが上がった」ことを実感したので、まずは自分なりにそのベースを理解し、そして自分で整理するということ大事なのだということをおっしゃっていました。

そこからはどんな状況でも、自分が獲得したベースをもとに、「あったらあったで、ないならないで」の状況にも対応できるようになり、いろんなアレンジで一皿(モダンジャズでいうところの一曲)ができるようになったのだそう。

気がつくとそろそろ1日目の授業も終わりの時間にー。
最初はどこに着地するのか全く見えなかった「モダンジャズ&インディアン」の関係性でしたが、授業が終わってみれば、カレーだけにとどまらず様々な方への創作意欲を刺激する魅力的なお話になっていたのではないでしょうか?

個人的には、まずは自分の頭で考え整理することの重要性が身に染みました。
あなたなら、どんな一皿(一曲)を作ってみたいと思いますか?

まだ1日目なのに、この情報量と熱さ!さて、2日目はどんなお話になるのでしょうか?
今回は5期の乃淡雅子がレポートお送りしました。

みんなにも読んでほしいですか?

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カレーの学校
別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると10人以上の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると700人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕もたまには混ぜてもらって一緒に楽しむ。そんな学校です。水野仁輔