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カレーのヒント 006:探しモノは?

探しモノは見つかったほうがいいのだけれど、見つからなくてもいい場合がある。ベトナムにカレー文化はあるのか? を探すべく、1週間の滞在をしている。現時点でいえば、ホーチミンではカレー文化を見つけたが、ハノイでは見つけられなかった。

ハノイでひょんなことから10数年ぶりに旧知の編集者に会った。現在はハノイ在住だという彼女は、僕がカレーを探しにハノイにやってきたと知り、とても申し訳なさそうだった。ハノイにはカレーはない。それをすでに知っているからだろう。「ハノイに代わって謝りたいくらい」と何度かそう言っていた。

でも、探しているものが見つかるのと、見つからないのとは僕にとって同じくらい大事な意味があるのだ。カレーがないとわかることの収穫をどうやって伝えていいのかわからない。探しに来たのだから見つけたほうがいいはずだ、と誰もが思うのだろう。でも、「ここにカレー文化がないということは……」という考察が、カレーの全容解明を目指す僕にはとても大事なことである。とはいえ、そんなハノイでも、“スパイスの魔術師?”と言われるフランス人シェフが経営するフランス料理レストランで、しっかりオリジナルミックスのカレーパウダーを発見してきたのだけれどね。

ちなみに、短いハノイ滞在中、雨模様だったことについても、「ハノイに代わって謝りたい」と言ってくれたのだけれど、それは僕が雨男なのだから、全く謝ってくれなくてもいいことだと思った。(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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