カレーの実験 043:第3回~第5回 カレーの粉 実験レポート
◆カレーの粉 海編 開発レポート◆
1.概要
・カレーをおいしくする新たな手法として、<カレーの粉>を開発した。
・カレーの粉とは、玉ねぎ・トマト・スパイス・ハーブ等がぎゅっとつまったおいしい粉であり、チキン等のメイン具材・水・油と鍋で煮るだけで簡単においしいカレーができてしまうアイテムである。
・前回までに、インドカレー等既存のカレーを再現するレシピとして、チキンカレー・ポークビンダルー・ケララチキンを作成した。
・今回、カレーの粉だからこそできるオリジナルレシピの開発を進め、カレーの粉 海編を作成した。
・そのレシピ開発工程を報告する。
※ メンバー:岡田さん・河合さん・黒沢さん・竹田さん・田中さん・安田さん・横田さん・林(記)
2.カレーの粉 海編 開発工程
◆8/16(月) 第3回
(1) 目的:新たに開発するレシピのコンセプトと素材の決定
(2) 議論内容
・カレーの粉、粉だからこそできるおいしいカレーを目指したい。
・出汁・うまみ成分に特化した素材を使用したい。
→素材案:きのこ・鰹節・昆布・鱒節・えび・チキン・ハーブ・りんご・バナナ・イチジク・キウイ・帆立・豆・ゴマ・ホルモン・内臓・チーズ・イカ・タコ・ごぼう・切り干し大根・みょうが・パクチー・大葉
・どんなときに食べたいカレーの粉カレーか、シチュエーションを考えたい。
→綺麗な海に釣りに行き、釣った魚をその場でおいしいカレーにしたいときのカレーの粉!カレーの粉 海編!
・シチュエーションをイメージし素材選定し、2案作成。
①海編 緑
・一般的な魚として、メイン具材はメカジキを想定。
・ハーブをたっぷり使った緑のカレー(but notタイカレー)。
・選定素材:レモングラス・コブミカン・セロリ・パクチー・アスパラ・帆立・グリーンチリ・ココナッツミルク・玉ねぎ・にんにく・しょうが・塩
②海編 赤
・同じく、メイン具材はメカジキを想定。
・ブイヤーベースのようなうまみたっぷりの赤のカレー。
・選定素材:タイム・オレガノ・レモン・トマト・チキン・えび・レッドチリ・玉ねぎ・にんにく・しょうが・塩
→各選定素材を自家乾燥準備する
◆8/24(火) 第4回
(1) 目的:カレーの粉 海編 緑・赤レシピ作成・試作
(2) 議論内容
・緑&赤をどんなカレーにしたいか? イメージ共有のため、ハーブ・出汁・スパイス・酸味の各要素を優先順位付け
→緑:ハーブ、出汁、スパイス(左から優先順位順)酸味不要
→赤:出汁、スパイス、酸味、ハーブ(左から優先順位順)
・このバランスを重視し、レシピを組立。
①カレーの粉 海編 緑(案1)
玉ねぎ:16g
にんにく:2g
しょうが:1g
パイナップル:4g
グリーンチリ:4g
ココナッツミルク:20g
帆立:15g
塩:4g
レモングラス:5g
コブミカン:4g
セロリ:8g
パクチー:4g
アスパラ:8g
レモンバーベナ:3g
クミン:2g
コリアンダー:10g
フェンネル:1g
カロンジ:2g
②カレーの粉 海編 赤(案1)
玉ねぎ:16g
にんにく:2g
しょうが:1g
トマト:25g
レッドチリ:4g
えび:10g
チキン:10g
オレガノ:2g
タイム:2g
塩:4g
パプリカ:8g
クミン:2g
ターメリック:1g
カルダモン:1g
ブラックペッパー:1g
コリアンダー:5g
アムチュール:4g
※素材は自家乾燥
(3)試作
・①緑・②赤レシピに従い、各素材をパウダーにしカレーの粉を作成。
・カレーの粉①緑or②赤・水300ml・油70ml・メカジキ400gを鍋に入れ沸騰したら弱火で20分煮る。
・①緑は水を追加で150ml・②赤は水を追加で50ml使用。
(4)結果
・①緑・②赤共かなりおいしい!
①緑感想・改良点
・ハーブ感もっと出したい・辛味が強い・ココナッツミルク多くても良い。・水増やしても良い。・ざらざらしてるからペーストから乾燥させた方が良い。・帆立の出汁感UPさせたい。・コブミカンが前面にあるからハーブの調整したい。
②赤乾燥・改良点
・まとまりがある。・濃度が濃い。・違う方向の酸味欲しい。・メリハリのある出汁感を出したい。・隠し味としての出汁はOK。・スパイス感バランスとれてる。・水を増やして酸味をUPさせたい。
・人気投票結果:①緑5票・②赤3票
→今後①緑のレシピをブラッシュアップする
◆8/30(火) 第5回
(1) 目的:カレーの粉 海編 緑レシピブラッシュアップ・試作
(2) 議論内容
・前回カレーの粉 海編 緑(案1)レシピをベースに、緑(案2)・緑(案3)を作成
①カレーの粉 海編 緑(案2)
・前回緑はハーブや野菜の繊維質が残りざらざらとしたテクスチャーとなってしまったため、その改良を目的とする。
・さらさらにするため、水分を増量し、繊維質な素材を減量し調整する。
・セロリとアスパラの要否を確認するため除く。
玉ねぎ:20g
にんにく:2g
しょうが:1g
ココナッツミルク:20g
パイナップル:4g
グリーンチリ:4g
コブミカン:2g
レモングラス:6g
パクチー:4g
帆立:17g
塩:8g
クミン:2g
コリアンダー:10g
フェンネル:1g
カロンジ:2g
※水:600ml
※油:100ml
②カレーの粉 海編 緑(案3)
・よりあっさりとしたカレーになるよう、味のバランスの変更を目的とする。
・まろやかになるココナッツミルクやパインを抜き、辛味の種類を変更する。
玉ねぎ:16g
にんにく:2g
しょうが:1g
グリーンチリ:2g
ホワイトペッパー:2g
コブミカン:2g
レモングラス:8g
アスパラ:8g
セロリ:8g
パクチー:4g
帆立:17g
塩:7g
クミン:2g
コリアンダー:10g
フェンネル:1g
カロンジ:2g
※水:500ml
※油:70ml
(3) 試作
・①案2・②案3レシピに従い、各素材をパウダーにしカレーの粉を作成。
→テクスチャー改良のため、茶こしや石臼を使用してさらに細かく
・カレーの粉①案2or②案3・水油各分量・メカジキ360gを鍋に入れ沸騰したら弱火で20分煮る。
(4)結果
・①案2・②案3共おいしい!①案2が特にかなりおいしい!
①案2感想
・調理中の追加水の必要もなく理想的なテクスチャー・うまみ成分としてのアスパラを抜いたことにより帆立が際立つ・セロリも香りの大きな要素だと実感。
②案3感想
・ホワイトペッパーの香りとまざり青いハーブ感が残る・ココナッツミルクやパインのまろやかさや甘さがバランス上重要かも
→①案2をベースに、帆立を減量、アスパラ・セロリを追加したものを最終レシピとする
3.カレーの粉 海編 レシピ
・材料
玉ねぎ:20g
にんにく:2g
しょうが:1g
パイナップル:4g
グリーンチリ:4g
レモングラス:6g
コブミカン:2g
セロリ:2g
パクチー:4g
アスパラ:2g
ココナッツミルク:20g
帆立:13g
塩:9g
クミン:2g
コリアンダー:10g
フェンネル:1g
カロンジ:2g
・その他材料
水:600ml
油:100g
魚(今回はメカジキ使用):400g
・作り方
カレーの粉、水、油、魚を鍋に入れ沸騰したら弱火で20分煮る
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