秋田のカレーの学校 2限目「旅BINGOを作ろう」レポート
秋田で行われたカレーの学校。
学校の1限目共通【カレーとは何か】の最後、「カレーのプレイヤーになろう」というワードで皆さんの目がキラキラしたところからの2限目。
タイカレーや修学旅行の話、先日刊行された「スパイスハンターの世界カレー紀行」の朗読を交えながら、最終的に44期「旅BINGO」が作れて、楽しく回れたらいいねという授業でした。
たまに本の中から「ここはアンダーラインを引いて」というポイントもありましたので、お持ちの方は是非片手にご覧下さい。
朗読では、校長の目の前に着席された生徒さんがまさかの「絵本の読み聞かせ」をしている方。
その方を目の前に自身の本を読み聞かせ、、、
※旅BINGOとは
カレーの修学旅行において爆誕したもので、各国の料理でBINGOを作り、各自現地でそれを持って街を周り、食事をして埋めていく。
リーチやBINGOになったらメンバーに写真をシェア。
旅の最中はもちろん、始まる前にも作る事で楽しめ、現地でも楽しめる。
食事だけでなく建築物など様々なケースで汎用性もあり、これがある事で街を知れたり、移動が楽しくなったりもする。
たまにBINGOに囚われて旅をしに来たのかBINGOをしに来たのかわからなくなる人もいる(らしい)
◼️スタートはまず水野さんの旅の話から。
水野さんの旅スタイルは「目的を持って旅をする」
何か探したいもの、やりたい事を決めて、それを実行するための旅。
一方で、旅のスタイルはもう1つあって、それは「当てどのない旅」。
目的を決めず、ただただ旅する事を楽しむ。
水野さんは前者。
なので、目的がなかったら旅自体に魅力を感じなくなる。
目的もなく旅をしてしまったら、多分2日目くらいで帰りたくなってしまうらしい笑
筆者は後者なので、そんな水野さんにびっくり。
◼️旅のポケットにある言葉は「質より量」
この言葉は写真家森山大道さんが美術大学での講演会の最後、学生達に語った言葉。
カレーを探る時にこの言葉を大事にし、研究対象ができたらそれで頭の中を満たし、とにかく量で自分自身の環境を作っていく。
そうしていると、自分の中で「これだ」というポイントが出てくる。
旅路でもそうしている。
【余談】
この秋田の旅、水野さんはお供にスヴェン・ヘディン著「さまよえる湖」を愛読書に据えてらっしゃいました。
さまよえる湖はあったのか?なかったのか?を求めて旅をする人の話。
水野さんの旅スタイルと似てる。
さまよえる湖 新装判 | スウェン ヘディン, Hedin,Sven, 楠生, 関 |本 | 通販 | Amazon
◼️今、その「目的」はタイカレー
校長の頭の中は今タイカレーでいっぱい。
きっかけはコロナ直前の2020年1月、あるTV番組で、タイカレーを作ったこと。
自分で作ったタイカレーの美味しさに驚いたらしい。
タイカレーの面白さを掘り起こす「タイカレープレイヤー」が空席だったのは、タイカレーも水野さんを待っていたんですね。
◼️世界の料理はグラデーション
世界各国の料理は、グラデーションで少しずつ地域ごとに変わっていく。
この変化は「地理などの地域性、宗教、政治、民族、貧富の差」など様々な要因で、ちょっとずつ変わって色々なものが食べられていく中で、後で国境の線が引かれているから、国で食を区切ろうとすると、難しい。
(レポーターのひとり言:この話、とても好きなので聞けて嬉しかった)
タイ北部のゲーンハンレーは、インドのエッセンスが入り混じっている。
タイとインドは陸続きではないけれど、インド→バングラデシュ→ミャンマーを経由してタイ北部に辿り着いている。
一方、南部はマレーシアと隣接しており、マレーシアにはイスラム教徒が多い。
イスラム教が影響を与えた料理はリッチになって世界的で人気になるという話があったが、ここで融合し誕生したのが「世界で一番美味しいカレー」とも称される「マッサマンカレー」。
◼️タイカレーはノンオイル!?
インド料理は様々な産地の材料が使われるが、タイ料理はタイ産が多い。
加熱による風味の変化が影響しているとの事。
ここはアンダーラインらしいので、本をお持ちの方は是非【P143】。
インドの料理は、油と加熱で変化した風味・香りを美味しく味わう。
一方、タイカレーはほぼノンオイル。
素材そのもののフレッシュな香りと味を楽しむ。
現地の作り方を見て知って驚いた。
2020年1月に「タイカレーが美味しい!」と感じた原因はここだったのか!?
◼️「レゲエ」もアンダーライン【P150】
タイ南部の話で「レゲエさん」話登場。
「レゲエ」アンダーライン!だそうです。(ちょっと声が大きくなっていた)
レゲエさんデータ:
タイ南部出身
本名は違うが、レゲエミュージック好きだから通称「レゲエ」さん。
しかし、水野さんはレゲエさんがレゲエを聴いているところを見てないし、
レゲエさんの口から「ボブマーリー」すら聞いた事がないらしい。
自宅で様々な植物を育て、畑で野菜を育てている。
カレーを作る工程が綺麗。
鍋中もとても綺麗で水野さんは心を奪われた。
お母さんは料理人。メガネをかけ、白髪で品が良い。
◼️いよいよBINGO登場!
ここまでで出てきたタイカレーで旅BINGOを作ってみる。
44期生は、みんなでタイに行き、このBINGOで遊ばなければならない!
(レポーターのひとり言:私もご一緒したい…)
◼️「誰かにもらった正解よりも自分で見つけた不正解」
レゲエさん母にマッサマンカレーを教えてもらった際、素材は「素揚げしてからペーストに」という方法で驚いた。
あれ?タイカレーってフレッシュを、、、?とそれまでの認識と異なる事にかなり動揺したが、他の人のマッサマンの作り方は必ずしもそうではなかった。
要するに「色々ある」という事。レシピに書いてる事が正解とは限らない。
水野さんの中では、「マッサマンカレーの作り方の正解」より「素揚げ」という新たな手法が加わった事に面白味を感じた様です。
「ゲーン」の捉え方も様々。
「ゲーンはカレーなのか?」
レゲエさんに聞いた「ゲーン」の定義
notゲーン:調理にカレー粉を使うもの
ゲーン:上記以外
一部のゲーンが「カレー」と呼ばれている事に関して、「外国人がそう呼ぶのであればそれで良い」とレゲエさん。
見え方、捉え方で如何様にもなる(そしてレゲエさん寛容!)。
正解なんてない。
自身の目で見て体験し、腑に落ちた事が自分の中の正解になる。
それが誰かに「不正解」と言われた事であっても。
◼️クロック(石臼)
メキシコ、中国、ベトナム、インドなどでも見かけた世界最古の調理道具とも言われる石臼。
ミキサーなどのマシン登場で現代では絶滅危惧種となってきているだが、タイはまだ使用頻度は高い方。
アナログ写真にしか出せない色がある様に、石臼にしか出せない原始的な香りがある。
2020年1月に「美味しい!」と感じたタイカレーは、素材そのものの香りがフレッシュに届いて感動した。
本質を突き詰めていくと石臼で叩く事か!という結論に。
だから校長の現在地はここ↓
「来年大ブームが起こる!クラッシュカレー」
だそうです。
◼️BINGO!
ここで44期の旅BINGOへ(既に定刻の15分前)
台湾、タイ、カンボジアの旅BINGOの紹介を挟み、44期の旅BINGOを作る事に。
44期の旅BINGOのコンセプトは、
「自分がカレーにキカッケを持つことになったお店、もしくはそれが難しければ今好きなお店」
①ラクスミ
②秋田大学生協のカレー
③TARA
④フランク
⑤ジョンブラッドリーカフェ
⑥ティーランカ
⑦奈央屋
⑧チビコス
⑨マノス
旅BINGOの話が出ずに授業が終わるのかと少し心配しましたが、無事44期の旅BINGOも完成し、晴れてBINGOを埋める旅のスタートとなりました!
無限に楽しめる旅BINGO、さて次の修学旅行タンザニアではどんなものになるか楽しみです。