カレーの思い出 089:最高の瞬間に最低のカレー

恋愛瞬発力が極めて低い私が、人生で最初で最後では、と思われる話です。
17年ほど前、会った瞬間に雷に打たれたように恋に落ちた人がいました。その人はそれからすぐに1ヶ月間ほどのシドニーへの海外出張に行ってしまいました。今思えば半分ノリであっただろう彼からの「来る?」のメールに、当時の仕事もすべてキャンセルして「行く!」と返事をして飛んでいきました。滞在先がキッチン付きの部屋で、早々にカレーをリクエストされ、その頃の勝負メニューでもあったので、「はいはい」と余裕かましていました。当時、IHコンロはまだ日本では主流でなかったか?!私も全く使い慣れていませんでしたが、まあ何とかなる!とまだ余裕。ところが、、仕上げに入ろうとするころ香ばしい香りが、、。鍋底の玉ねぎが意地でも張り付いて離れません。あっという間に香ばしいを通り越してしまいました。
仕事先から帰った彼の「ん?」な顔は今でも忘れられません。正直に話して、でもIHのせいにもして上澄みだけを苦笑しながら一緒に食べましたが、今までで最高の瞬間に最低のカレーとなってしまいました。リベンジを誓いましたが、その後なんとなく自然消滅。縁あって10年後に再会し、また付き合いましたが、ものの数か月で大修羅場を迎え二度とリベンジは叶いませんでした。

→雷に打たれたような恋。焦げた玉ねぎ。カレーは悪くない! はず……。(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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