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カレーのヒント 009:理屈ぬき

料理教室に来た生徒さんから言われた言葉がいまだになんとなく頭から離れない。

「ここに来る前にご著書を拝見して、どんな気難しい先生なんだろう、と心配していました」

彼女は新刊『スパイスカレーを作る』を持ってくれていた。そうか、そんなに気難しい人という印象になるのか。薄々そういう気はしていたけれど、面と向かって言われると説得力が違う。

「だって、スパイスのブレンドの図のページなんて、もう、目が回りそうですよー」

スパイスのブレンドという、みんなが経験値や感覚で行っているものをルール化して、誰でも実行できるメソッドにし、それをわかりやすく図式化したつもりだった。でも、やればやるほど「気難しい」とか「面倒くさそう」とか思う人もいるのだろう。

そんな話をしつつ、高知のイベント打上げでリーダーと飲んでいるときに、リーダーが来年、著書を出すとしたらどんなタイトルがいいだろうか? と話したら、こんなタイトル案が出てきた。

「水野の本が理屈っぽいと思われているなら、逆に『理屈ぬき』っていうのはどお?」

直感的にすごくよさそうだな、と思った。『理屈ぬきのスパイスカレー』。その場にいた女子5~6人が一様に絶賛するタイトルだった。理屈っぽい水野と理屈抜きのリーダー。勝ち目がないな。もし、プライドを捨てて勝とうとするなら、リーダーより先に『理屈ぬきのスパイスカレー』を出しちゃうしかないな。(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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