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カレーのヒント 059:言葉にしなければいい

ここ数年、できるだけ“表舞台”に出ないように気をつけている。
「カレーとは何か? を探る」というライフワークを進める自分にとって、それほど大事なことではないと判断したからだ。さらに言えば、僕が出会いたい人と出会う方法、僕に出会いたくない人が出会わなくていい方法を考えた結果、僕自身が静かにしていることがとてもいい形だとも思ったからでもある。
結果、いい流れで活動を行えている実感がある。

ここ数日、表現スタイルや表現の場について考えてばかりいる。
「カレーとは何か? を探る」行為には拍車がかかっている。せっせと仲間たちやシェフたちと研究し、実験し、考察し、語らい、充実した日々を送っている。その結果、手にしたものを表現するうえで、躊躇したり悩んだりせざるを得ない事態が身近なところで起きたりしているからなのかもしれない。
そんなとき、とあるインタビュー記事にヒントを見つけた。

「『ずっと描いていてよかったな』と思うことはありますが、人生は成り行き。40年やってこられたのは、人と同じことをやらないというスタンスを貫いたからです。そうすると、まわりから反発を受けることもありますが、言葉にしなければいい。不言実行です。黙ってやればいいんです」

イラストレーターとして長年活躍し続けている鈴木英人氏の“言葉”だった。激しく共感した。都合のいい解釈だが、「表舞台を避けておとなしくしていよう」と実践していた自分にとって心強い味方を見つけた気持ちになったからだ。僕のカレー活動は、まだ20年とちょっとである。鈴木氏のようにあと20年、その後、さらに20年と続けていくために、「言葉にしなければいい」とか「黙ってやればいいんです」とかいうことを今まで以上に意識して活動していきたいと思う。

……と、まあ、そんなことをつらつらと“言葉”にしているのである。一言でいえば、僕は、まだまだ修行が足りないのだなぁ。

(水野仁輔)

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別名“カレープレーヤー”養成所。入学すると50人の仲間(同級生)に出会える。授業に出るとカレーの未知なる魅力に翻弄される。卒業すると500人以上の仲間(卒業生)ができる。つまり楽しい日々はずっと続く。そして校長の僕は取り残されてちょっぴり寂しくなる。そんな学校です。水野仁輔

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